先日クリニックを個人開業されているドクターよりご相談を受けました。
その際、以前医療法人化の検討もしたことがあったが止めたとのことでした。やはりまだ医療法人について誤解をされている先生も多いのかもしれません。
今回は、その誤解についてお話したいと思います。
現在設立できる医療法人は「出資持分のない」法人だけですが、この「出資持分のない」法人には、ある誤解がつきまとっています。
仮に医療法人を資本金1000万円で設立して、その後20年経過して利益を積み上げ財産が医療法人に3億円あったとします。その3億円は、理事長先生が努力されて積み上げたものであり、当然株主に帰属するものであるはずだから、これが一般の会社であったり、以前の「出資持分のある」医療法人であれば理事長先生が退任されるときには、株式の評価が1000万円から3億円になり、3億円が理事長先生のもとに返ります。しかし、この「出資持分のない」法人制度では、どんなに利益の積み上げがあっても、理事長先生が所有する株式の評価は出資額の1000万円のままであり、退任時に受け取る額も1000万円のままなのです。これが「出資持分のない」法人の仕組みです。そのために医療法人化しない先生が多くいらっしゃるのが現実です。確かに、それであれば経営のモチベーションも上がるはずもなく、法人化は望むところではないでしょう。(数字は概算です)
しかし、税理士としては、これは必ずしも正解とは言えません。
実際には、3億円は理事長先生個人に戻すことができます。もちろん株式の評価は1000万のままですが、理事長先生は、株式とは別の形で退任時にご自分が築かれた財産をご自分に取り戻すことができます。
医療法人には、個人経営ではできない節税や財産形成の方法が存在し、理事長先生の財産形成には断然有利です。また法人であれば、理事長先生の今の所得税を減額することも可能です。
個人経営をされている先生は、ぜひ医療法人化をご検討されることをお勧めします。
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