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不動産投資のリスク

気になる経営・税務

今日は日曜日ですが、武蔵小杉のわが税理士事務所は繁忙期のため、昨日も今日もお仕事です。仕事をさせていただけることに感謝、感謝です。さて、最近、親から相続財産として億単位のお金を貰ったので、その資金で不動産投資をしたいというご相談を受けました。このような不動産投資のご相談は大変よく耳にします。もちろん、当税理士事務所のお客様にも不動産投資をされている方はたくさんおられます。この不動産投資というもの、はたから見れば「りっぱなマンションを持っていてうらやましい」とか「大家さんは楽だし、しかもお金が黙っていても入ってきていいわ」などというよさげな部分だけがフォーカスされますが、実際にはどうなんでしょうか。

たとえば、その収支はいうと・・・

確かに立派なマンションのオーナーになるんです。かっこいいでしょう。でも立派な建物の裏には、通常銀行からの多額の借入金という影の部分があります。もちろん周囲の人の目には見えませんよね。もともと所有していた土地に借入金で建物を建てたとか、土地建物を借入金で購入したとか、ケースはいろいろかと思いますが、ない方のほうが少ないのではないでしょうか。

この場合の不動産事業の収支は

収入  家賃収入

経費  銀行借入金の利息(元金は除く)
     固定資産税
     建物の減価償却費
     管理費
     修繕費
     建その他諸経費

差引所得(利益)

 

この[収入−経費] の差引が不動産所得(つまり利益)となります。ここまでの損益計算では、通常のケースではそれなりに大きなプラスとなります。というのも不動産業では経費があまりないですから。
そうなると、発生してくるのが【税金】です。
所得税、住民税、事業税(このほかに住居用ではなくテナント貸しがあれば、消費税も発生します)。これらをを先ほどの計算で出た不動産所得から納付します。ここで予想外のショックを受けます。(理由はあとで)
でも計算上は、さらに続きが!! 税金を支払った残金から銀行借入金の【元金】を返済するのです。元金・利息は一緒に払ってるでしょ?そうですね。でも税務上の扱いは利息と元金とでは全く違うのです。利息は、経費になりますが、元金の返済部分は経費にはなりません。ですから、あくまで残ったお金から返済します。その結果、計算上の利益と残るお金には大きなギャップが生まれるのです。

もう少しわかりやすく実際のお金の流れでみると、普段日常では、毎月の家賃収入から、生活費を抜き、借入金の元金・利息を支払い、その他の経費を支払います。12カ月経過し、1年の締めとして、確定申告の時期に税金を納付します。先ほど税金の納付のとことで、「予想外のショックを受ける」と書いたのは、最後の税金の納付時点で、利益は出ていてもその分は生活費と借入金の元金返済に充ててしまっているので、税金を納付したらお金が全く残らないのです。(下手をするとマイナスということもあります)これが不動産業です。

不動産業って、経費はあまりないから表向きの利益は出るんです。だから結構な税金が発生します。だけど、反面お金は残らないんです。銀行借入金がある限りは。過去には、お金が回らなくなってうちの事務所にもう自殺したいって電話をしてきた方もいらっしゃいました。りっぱなマンションをたくさん所有されていた方です。

もちろん、このケースがすべてではありません。不動産で成功されている方だってたくさんいらっしゃいます。でも見た目と実態とのギャップが大きいのは間違いなく事実です。上っ面にだまされると、待っているのは自己破産です。

やってはいけないということではありません。やる前に、しっかり勉強をしましょうということです。間違っても、周りに乗せられて
はじめるようなことはないように。成功されている方には、必ずそれなりのノウハウがあるのです。それを学んでからでも、遅くはありません。わからない方、不安な方はまず公認会計士や税理士への相談をお勧めします。

不動産投資の実態でいえば、収支の問題以外にも、客付け、店子との折衝、不動産の管理、はたまた地震対策等々日常の問題、考えなくてはいけないリスクは他にもあります。黙っていれば”チャリンチャリン”となる楽ちんなお仕事では決してありません。世の中の大家さんは、実は見えないところでたくさん苦労しているんです。それを知った上で、そういう問題を楽しめる方がやるものなのです。

勉強がいやな方、楽したい方は、持っているお金を不動産ではなく、もっと確実にたとえば将来年金で受け取れる保険に加入する方法だってあります。当税理士事務所では、このような財テク、資産運用の総合的なアドバイスも常時行っております。

 

 

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