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専門家から見た経営において心すべきこと

気になる経営・税務

公認会計士・税理士の藤井です。とても基本的なことではありますが、わたしが専門家の立場から経営において心すべきこととして、折に触れ経営者の皆様にお話していることが3つあります。(経営者の方にご理解していただくために、専門用語を極力使わず、簡易に説明しています)

①目指すのは売り上げの最大化ではなく、粗利の最大化。そして粗利率の最大化です。

経営者としては、どうしても売上に目が行ってしまうものです。しかし、それは正しいでしょうか。会社の目的は売上をあげることではありません。大事なことはお金を残すことです。そのためには、どうすればいいか?そう、利益を出すことです。今より利益を出したい!そう思ったら、どうすればいいでしょうか?方法は2つ。一般経費を削減する。もう一つは、粗利を増加させることです。売上げではありません。粗利と言うのは、売上−原価(小売業、卸売業等では仕入原価、建設業、製造業では製造原価)です。たとえば建設業で考えたとき、だからこそ採算管理が重要になります。顧客に見積もりを出す時点で、目標利益、目標利益率(粗利率)が明確である必要があります。また実際の粗利とどれだけの乖離があったのか。またその原因はなにか?見積もりが低すぎたのか?材料費、外注費が高すぎたのか?このような採算管理能力を高めていくことで目標の粗利に近づいていくことが可能になります。

さらに言いますと、お金を残すためには粗利の最大化と言っても、売上増加で目指すのではなく、利益率の最大化で目指すことが重要です。売上増加で粗利を増加させても、必要運転資金が増加し、資金不足を招く可能性が大ですが、一方粗利率を最大化させていくと運転資金を増やすことなく余剰資金を増加させることができます。

 

 

②特定の顧客への売り上げの依存度(売り上げ全体に占める構成比率)を下げること。

中小企業においては、売上の大部分が特定の顧客に集中することは珍しいことではありません。しかし、これは大変に危険なことです。たとえその顧客が大企業であっても、急成長中の優良企業であってもです。なぜでしょう?

以前等事務所がある東京のお客様(以下A社といいます)と新規の顧問契約を締結させていただいたときのことです。その時点でのA社の売上の約65%以上が、ある上場会社1社に集中しておりました。相手は泣く子も黙る(?)上場会社です。中小企業が上場会社と直に取引をするだけでも大変すごいことです。しかし私は、真っ先にこの60%という構成比率を時間をかけてでも、下げていくことをA社にご提案させていただきました。

その後、A社はとても営業力にも優れていたこともあり、新規顧客の獲得と全体の売上げの増加で、当該上場会社へ売上の構成比率は当初の60%から大きく下げることに成功しました。

ほどなく、その上場会社は経営の再編で経営の方向性が大きく変わり、A社のこの上場会社への売上げは当初の1/10になってしまいました。もしも、A社が当該上場会社の売上げ構成比率に危機感を覚えず構成比率を下げる方向に舵をきらなかったら・・・・おそらく倒産の危機に瀕していたのではないでしょうか。

③価格の決定権のある取引を増やす。

中小企業の宿命ともいえる問題です。中小企業はどうしても、親会社等の下請けとして仕事をすることが一般的です。しかし、この下請けと言う立場では、価格の決定権はほとんどの場合ありません。価格は親会社の言いなりとなっているのではないでしょうか。そして、親会社等の都合で値引けと言われれば言われるままに値引く。これでは、目標とする利益を上げることも大変ですし、なによりも受身的な経営になってしまいモチベーションもあがらないのでは。

では、どうすれば?変化を恐れないこと、挑戦です。既存の客先との関係を変えられるならそれもありですし、自らが元請としてエンドユーザーと取引するために営業努力していくのもありでしょう。とにかく、環境を自らの手で変えていく決意をすることが何よりも重要です。

価格の決定権のある仕事はなによりも楽しいですよ。経営の醍醐味です。ぜひ味わってみてください。

 

 

 

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