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さて、今回は融資コンサルティング的なお話です。中小企業の経営において、銀行とのかかわりは益々重要性を増しています。
ところで、銀行は、貸し出しを判断する場合、何を重視しているのか。担保力でしょうか?間違いではありません。
しかし、もっと重要なものがあります。それは格付け(債務者区分)です。
借り手の企業側としてはこの 銀行の格付けが下がらないように努力をしていくことが今後重要となります。
格付けは、一般的に定量分析、定性分析の2つをベースに行われます。
①定量分析(財務評価)とは、会社の安全性、収益性、成長性、返済能力等を、
会社の決算書を基に自己資本比率、流動比率などなど様々な財務指標を算出することで行います。
②定性分析(非財務評価)とは、市場動向、市場規模、競合状態、競争力、シェア経営方針、
株主、業歴、経営基盤、従業員のモラル等の財務数値以外の評価のことをいいます。
今回は、決算書から見たときに、銀行評価における重要なポイントはなにか。
いくつか挙げてみたいと思います。
①債務償還年数
これは、現在ある返済すべき債務を今の経営成績(売上、利益等)で何年で返済できるかを示すものです。
一般に10年以内であれば健全といわれています。
(計算式)
要償還債務(借入金等)
債務償還年数 = −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
税引後利益 + 減価償却費 − 税金 − 年間必要な最低限の設備投資額
②債務超過
これは、貸借対照表において、資産より負債のほうが大きく、純資産がマイナスの状態です。
ただし、表面上の貸借対照表で判定するのではなく、実態ベースに引きなおしたもので評価します。
たとえば、売掛金に回収不能な債権があったり、在庫で販売不可能なものがあったりする場合、
それらを調整した実態の貸借対照表で判定します。
会社が今スグに対策としてできることは・・・
銀行は会社と経営者を一体と見ます。つまり社長等からの借入金は、負債ではなく資本に準じて
評価しますので、貸借対照表上は、誤解されないように、他の借入金とは区別して役員借入金等として
表示しておくことで財務評価がよくなります。
また、社長等の経営者の個人資産(預貯金、不動産等)についても、社長等に支援意思があれば、
返済能力に加算されます。決算書に注記しておくとよいでしょう。
(当該役員が保証人である必要はありません)
銀行の評価を上げることは、会社の存続において重要です。まず今できることから
初めて、銀行の格付けを高めていく努力が必要です。
参考資料
知ってナットク 中小企業の資金調達に役立つ金融検査の知識(金融庁)
知ってナットク 中小企業の資金調達に役立つ金融検査の知識事例集(金融庁)
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