平成30年における事業承継税制の改正

みなさま、こんにちは。

ゴールデンウイークはいかがでしたでしょうか。後半はあまり天候も安定していなかったので、不完全燃焼に終わってしまった方も多いかもしれませんね。ともあれ、戻れる日常があるっていうのは有難いことだなって改めて感じます。

 

さて、いま世の中では中小企業経営者の高齢化の進展とともに後継者不足が大きな社会問題となっております。安定した経営を続ける中小企業ほど、その高額となる自社の株式を後継者が取得(相続)することができず、事業の継続を困難にしている現状があります。

当税理士事務所は経済産業省より経営革新等支援機関の認定を受けており、中小企業の事業承継制度のサポートをしておりますが、本年の税制改正において事業の継続の危機から中小企業を救うための当該事業承継税制に改正がありましたのでご紹介します。

 

【現行の事業承継税制の概要】

事業承継税制とは

事業承継税制は、後継者が贈与又は相続等により取得した非上場会社の株式等(※1)について、経営革新等支援機関の支援により経営力向上計画を主務大臣に申請し、経営承継円滑化法に基づく都道府県知事の認定を受け、さらに一定の要件をクリアすれば、その非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税が猶予(※2)され、また後継者の死亡等により納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度です

 

ポイント(=適用を躊躇させていた制度上の欠点)

①株式数に上限
 後継者が既に保有していた議決権株式も含めたところで、会社の発行済議決権株式総数の2/3が上限(※1)

②納税額の猶予割合に上限
 贈与税は全額、相続税は80%(※2)

③雇用要件
 認定後5年間平均8割の雇用を維持すること。
 (当該要件を満たせなくなった場合には、猶予中の税額を納付しなければならない。)

④当事者要件
 ☞先代経営者は
 代表者だったことがある
 同族関係者で議決権の過半数を有していたこと
 後継者を除いて筆頭株主であったこと
 贈与の場合は、その贈与の時点で代表権がないこと

 ☞後継者は 【相続】のケース
 相続開始の日から5か月を経過する日において、会社の代表権を有していること
 相続開始の直前に役員であったこと(被相続人が60歳未満で死亡した場合等を除く)
 相続開始日において、同族関係者で議決権の過半数を有していること
 同族関係者の中で最も多くの議決権数を保有していること
 相続開始から申告期限まで、猶予の適用を受ける株式の全部を保有していること

 ☞後継者は 【贈与】のケース
 贈与の日において、20歳以上であること
 贈与の時において、その会社の代表権を有していること
 同族関係者で議決権の過半数を有していること
 同族関係者の中で最も多くの議決権数を保有していること
 贈与の日まで3年以上継続してその会社の役員であること

 ☞MEMO
 対象となる取引は、一人の先代経営者から一人の後継者に対する承継のみ
 後継者候補が二人いても、本制度の適用は一人のみ
 たとえば、先代経営者の配偶者から後継者への贈与等も対象外

 

【平成30年の税制改正点】

平成30年の税制改正においては、当該中小企業の経営者問題に歯止めをかけるべく事業承継税制について、10年間の特例措置として既存制度の抜本的な拡充がなされた。

拡充

①対象株式数の上限撤廃
 発行済議決権株式総数の2/3の上限を撤廃し、全株式が適用可能に。

②相続税の納税猶予が100%に
 相続税の納税猶予割合上限 80%を撤廃→100%
 これにより事業承継時の税金負担がゼロになります。

③雇用要件の実質的撤廃
 認定後5年間平均8割の雇用維持要件を事実上撤廃
 →この水準を満たすことができなかった場合、その理由を都道府県知事に報告
  (認定経営革新等支援機関の指導助言の添付が必要) 

④複数の株主から複数の後継者への事業承継
 複数の株主(先代、配偶者、親族等)から最大3人の後継者(長男、次男、三男等)への承継が可能に。

  

新設

①納税猶予中に株式の譲渡(M&Aによる譲渡や合併、解散)を行った場合の猶予税額の減免制度

 従来> 猶予中の贈与税額を基準に納付しなければならなかった

 特例> 複数年の赤字等事業継続困難の要件満たせば、(業績不振により下がっている)譲渡時の
     株価に基づいて猶予税額を再計算し、税額納付できることに。

 

②精算課税制度の親族要件が撤廃 

 相続税精算課税制度の要件

 従来> 60歳以上の贈与者から20歳以上の子・孫への贈与

 特例> 60歳以上の贈与者から20歳以上の受贈者(親族要件ナシ)

 

【おわりに】

事業承継税制の今年度改正における本的拡充としての10年間の特例措置は今後5年以内に事業承継の計画を提出し、10年以内に実際に承継を行うものが対象となります。なお、この10年間というのはその後の延長はないとも言われています。

先代は、10年以内に後継者選定、後継者育成等様々な対策をする必要があります。一朝一夕でできるものでははりませんし、なんの障害もなく簡単にできるものでもありません。緻密な計画、周到な準備と時間が必要になります。ご相談はお早めに。

 

 

当税理士事務所は経済産業省より経営革新等支援機関の認定を受けております。
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川崎市武蔵小杉の藤井祐彦公認会計士税理士事務所

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